ニキビの基礎

あなたは、ニキビの基礎知識として、一般のニキビは、どのような仕組みで、そして、どのような場所に出来るのかをご存知でしょうか。
たとえば、顔周辺などにはニキビがたくさんできるのに、手や足などには、あまりできなかったりします。
また、思春期ニキビの出来る場所は、額や鼻の付近や顎などが多いのに、大人ニキビの出来る場所は頬から顎の下にかけてだったりします。
ニキビがどのような仕組みで、どのような場所にいつごろ出来るのかをニキビの基礎知識として持っておけば、ニキビに対処する時に役立ちます。
この記事の目次
ニキビは毛穴に出来る
まず、ニキビは毛穴に出来るのですが、すべての毛穴に対して発生するのではありません。
実は、毛穴には、大きく分けて、脂腺性毛包・終毛性毛包・軟毛性毛包という、3つの種類の毛穴があります。
この内、ニキビが出来るのは、そのほとんどが脂腺性毛包という毛穴なんです。
そして、その脂腺性毛包が沢山存在するのが、顔や背中なので、顔や背中にはニキビが発生しやすいという事なんですよね。
脂腺性毛包自体は、毛穴の中にある脂腺という器官が発達していて、肌の表面を守るために必要な皮脂という脂を、肌の表面に供給する能力が高い毛穴です。
この脂腺性毛包の内部で分泌される皮脂が、毛穴の中に閉じ込められてしまい、上手に毛穴から排出されない事が原因で発生するのが、ニキビという訳なんです。
つまり、ニキビの発生は、毛穴内で分泌された皮脂が、何らかの原因で毛穴から排出されず毛穴内に溜まることが、基本的なメカニズムなんです。
それでは、脂腺性毛包・終毛性毛包・軟毛性毛包について簡単に説明してみます。
脂腺性毛包

脂腺性毛包は、肌の表面を守るための皮脂という脂分を、脂腺という器官から分泌する事が大きな役割の毛穴です。
毛穴ではありますが、皮脂を分泌するのが主目的なので、毛は細くて短くなっていて、脂腺が発達しています。
脂腺性毛包は、毛穴が目で見えないくらいに小さな、微小な毛穴が多数存在していて、それらがニキビ予備軍として、待ち構えています。
そして、それらの微小な毛穴の出口が詰まってしまうと、微小面皰と呼ばれるニキビの赤ちゃんが誕生するという事になるんです。
その、微小面皰と呼ばれるニキビの赤ちゃんは、そのままの状態でニキビに成長しないものや、自然消滅するものもあります。
しかし、悪条件が重なり悪化すると、白ニキビを経て、黒ニキビや赤ニキビに成長してゆくことになります。
終毛性毛包

終毛性毛包は、肌を守るための毛を発生させることが主な目的で、存在している毛穴です。
毛を生やすことが大きな目的の毛穴ですから、脂腺は小さくなり、反対に、長くて太い毛が日々作られ続けている状態となります。
終毛性毛包の代表例は、髪の毛の毛穴ですが、脂腺は髪の毛をからみにくくするための潤滑油としての働きと、頭皮を保護する働きがあると言われています。
脂腺があるので、思春期などには男性ホルモンの関係で脂腺よりの皮脂の分泌が盛んになりますが、終毛性毛包はニキビにはなりにくい毛穴なんです。
その理由は、脂腺があまり発達していないので、極端に多い量の皮脂が分泌されることが少ないのと、毛が伸びているので、一緒に皮脂も排出されるからです。
毛が、日々伸び続けているので、毛穴の出口がつまるようなことは殆ど起こらず、皮脂も毛に付着して、きちんと毛穴から排出されるという訳です。
しかし、そのようにニキビになりにくい終毛性毛包も、毛穴の出口や頭皮に異常があれば、ニキビになる場合も、まれにあります。
軟毛性毛包

軟毛性毛包は、いわゆる産毛の状態となる毛穴なのですが、かなり小さな器官としての脂腺のある毛穴になります。
毛穴の状況としては、終毛性毛包の退化したものと考えれば、その状態が解りやすいと思います。
当然のごとく、小さな毛も日々成長していますし、脂腺もかなり小さなものとなるので、ニキビになるほどの皮脂は溜まりにくいのでニキビになりにくいとされています。
しかし、そのようにニキビになりにくい軟毛性毛包も、毛穴の出口や皮膚に異常があれば、ニキビになる場合も、まれにあります。
ニキビの出来る流れ

次に、ニキビの出来る一般的な流れですが、これは、基本的には、以下のような流れになります。
以上が、ニキビの発生する一般的な流れです。
この流れを理解しておけば、あなたが、ニキビになりたくない場合には、どのような事に気をつけなければいけないかが、見えてくると思います。
思春期ニキビと大人ニキビ
今までの説明で、ニキビの知識の基礎として、ニキビは毛穴に出来るものだという事と、毛穴の中でも、特に脂腺性毛包に出来るという事はわかっていただけたと思います。
また、肌の毛穴のケアに気をつければ、ニキビができにくくなるという事も、簡単に想像が出来るであろうと思います。
ただ、皮脂の分泌を増やしてしまう男性ホルモンのコントロールについては、かなり難しいものがあります。
それは、男性ホルモンの体内での分泌は、生理的に自然に発生する事が多いので、無理に抑制する事は体にとって危険だからです。
しかし、ニキビを防ごうとする場合には、最低限、知識くらいは身に着けておかないといけません。
そこで、ここでは、ニキビの原因となる2種類の、男性ホルモンの増えるパターンについて説明しようと思います。
この男性ホルモンの増えるパターンについては、大きく2つにわけられます。
それは、思春期ニキビの場合と大人ニキビの場合ですので、それぞれについて、簡単に説明してみます。
思春期ニキビの場合
12歳~20歳くらいでニキビが発症し、25歳くらいまでに、そのほとんどが治まってしまうようなニキビを、思春期ニキビと呼びます。
このような思春期には、女性も男性も、一様に男性ホルモンの分泌が増えて、そのせいでニキビが多発してしまいます。
そして、この男性ホルモンの働きにより、必要な部分に毛が生えたり濃くなったり、また体つきも大人に近づいたりします。
この時期の男性ホルモンをコントロールするのはとても危険です。
極端な操作をすると、体の成長に異常が起こるかもしれません。
思春期ニキビに対処するためには、毛穴がつまりにくいような肌のケアーを重点的に行ったり、医薬品で男性ホルモン以外の原因を抑えるのが効果的です。
大人ニキビの場合
20歳を過ぎてからニキビが発症し始め、40歳頃までニキビの発症が続くようなニキビを、大人ニキビと呼びます。
大人ニキビを発生させるような、男性ホルモンの増加は、思春期ニキビのような年齢的な原因とは異なります。
この男性ホルモンの増加は、月経周期に関係したものであったり、ストレスや生活習慣、遺伝や健康状態が引き金となっているものが多いです。
大人ニキビに対処するためには、極端な男性ホルモンの増加につながらないように、規則正しい安定した生活を行うようにすることが必要です。
睡眠不足や余分なストレスなどを、極力避けるような日常へと移行する必要があります。
ニキビの基礎
ここまで、ニキビの基礎として、ニキビが出来る毛穴の説明と、ニキビの原因となる皮脂を増やす男性ホルモンの説明をしてきました。
これで、どのような毛穴に、何が引き金となってニキビが発生するのかは、あらかたご理解いただけたと思います。
そして、もうすでに、あなたもお気づきと思いますが、毛穴内でいくらたくさんの皮脂が分泌されようと、全て排出されればニキビは発生しません。
つまり、毛穴の出口である毛孔さえ、きちんと開いていれば、ニキビは発生しないことになります。
しかし、現実的には、お化粧などの刺激で毛孔がふさがってしまったり、皮膚の乾燥化などで肌の角質がこわばって毛孔を塞いだりと、危険因子はいっぱいあります。
思春期ニキビや大人ニキビが発生し始めたなら、いままでの知識をもとに、出来るだけ原因となる事を減らし、ニキビを治してほしいと思います。ニキビの基礎を考えるとき、「男性ホルモン・脂腺・皮脂分泌・毛孔・皮脂排出」は大事なキーワードになります。
基礎的な知識を持っていれば、あなたの、今行っている事が、ニキビに対して良い事か悪い事なのかの判断がつくようになります。🙄